秋風が吹く頃になるとお墓や田んぼのあぜ道のあたりに彼岸花が一斉に咲き始めます。
ちょうど秋のお彼岸の頃に咲くので彼岸花と呼ばれているのでしょうが、赤くてきれいな花なのに、不吉ないわれも多いし、嫌われているようなイメージがありますね。
彼岸花についていろいろ調べてみました。
彼岸花がお墓のまわりに植えられているのはなぜでしょう
田舎の方の墓地のまわりに真っ赤な彼岸花がたくさん咲いていることがあります。
これは自然に咲いているのではなく、昔からの知恵で墓地のまわりに彼岸花が咲くように球根が植えられていて、それが根付いているのです。
日本ではお葬式のあとのご遺体は、ほとんどが火葬されて埋葬されますが、昔は土葬の方が多かったのです。
そうすると土の中のモグラやネズミがそのご遺体にひどいことをするのをさけるためにお墓のまわりに彼岸花の球根を植えたと言われています。
なぜ、彼岸花を植えたかというと・・彼岸花の球根には毒が含まれているからです。
毒を嫌って、墓のそばにはモグラやネズミが寄りつかなかったそうです。
彼岸花は不吉な別名や、いわれが多い理由は
彼岸花は日本全国で咲いていますが、不吉な別名が多いです。
死人花(しびとばな)
地獄花(じこくばな)
幽霊花(ゆうれいばな)
などなど、どこまでも暗い不吉なイメージですね。
「彼岸花を摘んで持って帰ると家が火事になる」
「彼岸花を摘むと死人が出る」
「彼岸花に触ると手が腐る」
これらは毒をもっている彼岸花から子どもを遠ざけるために広められたと考えられています。
実際に土葬が主流の頃でしたら、彼岸花を植えてあるところを掘ってみたら死体が出てきたということもあったのではないでしょうか。
彼岸花 昔の人の知恵で意味嫌われるようにして保護
実は子どもから彼岸花を遠ざけたのは、彼岸花が摘まれないように保護していたという説もあります。
彼岸花は球根に毒を持っていたために、植えておくと土の中にドンドン穴を掘っていくモグラの被害を避けることができます。
それで昔の人は、田んぼのあぜ道や、小川の土手の所にわざと彼岸花をたくさん植えていたのです。
今は川の土手などはコンクリートで頑強に舗装できますが、昔はなんと言っても土で固めておくのが主流でした。
彼岸花を植えておけばモグラから土を掘り返されないので崩れないんです。
田んぼの稲もネズミなどの被害から彼岸花の球根の毒が守ってくれます。
江戸時代などの大飢饉の時代は毒のある彼岸花の球根を、水にさらして毒を抜いて食べていたそうです。
彼岸花の球根は毒もありますがデンプン質が豊富だったのです。
しかし毒抜きがうまくいかず亡くなった方もいることではと予想されます。
生きていくための「悲願の花」という悲しい意味もある・・と言われています。
彼岸花は昔の人がわざと忌み嫌われるようにして保護されて、全国に広まっていた花なんですね。
まとめ
彼岸花、悲しい逸話や暗い話ばかり紹介しましたが、最近では埼玉県日高市の「巾着田」と言う彼岸花の群生地などもあり、バスツアーも人気があります。
赤以外に白やピンクなどの色とりどりの美しい花があり、世界中の愛好者が大事に育てています。
彼岸花を見かけたら、土を守る大事な花なんだとお子さんに教えてあげてくださいね。
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