のっぺという野菜の煮物をご存じでしょうか。里芋を中心にした新潟の郷土料理です。奈良県、熊本県、島根県などでも同様の料理が作られているようです。
新潟の、のっぺの作り方、特に正月向けのやり方を紹介します。
新潟のっぺは里芋がメイン 全国的なのっぺい汁との違いは
「のっぺ」よりも「のっぺい汁」の方が全国的には有名な料理のようです。
「のっぺい汁」は里芋、にんじん、椎茸、などの根菜類の残り物とこんにゃく、油揚げなどと一緒にごま油で炒めてだし汁で煮て、最後に片栗粉などでとろみをつけた汁物です。
新潟の「のっぺ」は里芋をメインに貝柱や鶏肉、塩鮭が入り、タケノコ、レンコン、ゴボウ、ぎんなんなども欠かせません。
とろみは片栗粉などは使わず、里芋を煮しめることで出てくる自然なとろみを楽しみます。
お盆やお正月など帰省してきた家族を迎えたり、法事や祝い事などの時に作るハレの日の郷土料理なんです。
材料(6人分)
里芋・・・10個
にんじん・・・1本
調理用かまぼこ・・・80g×2個
干し椎茸...5枚
ゴボウ・・・1/2本
レンコン・・・100g~200g
黒こんにゃく・・・1枚(150g)
タケノコ水煮・・・1パック
干し貝柱・・・25gくらい(ブロークンでも良い)
ぎんなん・・・15個
鶏もも肉・・・200g
塩鮭・・・2切れ
だし汁・・・カップ6(干し椎茸、干し貝柱、昆布)
調味料
塩・・・小さじ1.5
醤油・・・100cc
酒・・・100cc
みりん・・・大さじ2
砂糖・・・大さじ1
新潟の、のっぺ 前日から干し貝柱と干し椎茸でだしを
大晦日、12月31日の夜には食べるので、前日の30日の晩から準備をします。干し椎茸と干し貝柱、昆布などと水カップ3くらいに鍋ごとつけておきます。
塩鮭はコンロで焼いておきましょう。これは大晦日でも大丈夫です。
大晦日当日は、根菜類を細かく切り、下ごしらえから始めます。
レンコンは皮をむき、薄く切って水にさらしておきます。ゴボウはささがきにして水にさらします。アクの強い野菜は水にさらしておいた方が良いです。
こんにゃくとタケノコ水煮も細かく切ってから、お湯でさっと湯がきます。
にんじん、鶏肉なども一口大に切っておきます。
里芋は洗って皮をむき、これも一口大に切っておきます。ぬめりを楽しみたいので水につけたりはしません。
昨日、干し椎茸や貝柱を入れておいた大きめの鍋に水を3カップ足して、火にかけます。
沸騰してきたら、醤油などの調味料を全て加えて、昆布を取り出します。
レンコン、ゴボウ、にんじん、椎茸、タケノコ、こんにゃくなど根菜類を加えて煮込みます。
アクが出てきたら、玉じゃくしで丁寧にすくいましょう。
アクが取れたら、鶏肉、ほぐした塩鮭、里芋を入れます。
ざっと煮えてきたら、かまぼことぎんなんを加えて混ぜ合わせます。
暖まったら、里芋の煮え具合を確認して、火を止めましょう。余熱で火が通りますので、里芋はちょっと堅いかなと思うくらいでちょうどいいです。
のっぺは新潟では正月に毎日暖めて食べています
これで、のっぺはできあがりました。大晦日の夕ご飯に塩いくらやサヤエンドウを湯がいたものをのせて食べることもあります。
里芋以外の具材や味付けも様々で、くわいや菊芋、するめいかをいれるお宅もあるようです。
新潟では大晦日の夜から、お正月の3が日、毎日のっぺを食べるので、大鍋で作って暖め返して食べています。
冷たいままでもおいしいので、うちの主人はそのままで出してくれとのリクエストがあります。
お盆の時期ののっぺは冷たいのがおいしいですね。
主人の実家の、のっぺは塩味で鶏肉がどっさり入っていて、塩鮭はなしです。何度も暖めて食べるので、鶏肉の脂と里芋のとろみで白く濁ってきてそれはまたそれでおいしいです。
昔、我が家のおばあちゃんが作ってくれたのっぺは砂糖がたっぷり入っていて、かなり甘い味付けでした。腐敗防止に濃い味付けだったのかもしれません。
私は汁気が多くてあっさりした味が好きなので、元旦の夜くらいから、のっぺを小鍋に移して冷蔵庫で保管するようにしています。
まとめ
全体の材料を半分くらいにして、干し貝柱やぎんなんなどの高級な材料を使わなければ、里芋のおいしい秋口にはのっぺは良いお総菜になります。
だし汁に味付けして根菜類から炊き始めれば、里芋はすぐ火がとおるので、以外と短時間でできる煮物です。
新潟市内のスーパーでは、1年中のっぺがお総菜コーナーに並ぶ店もあり、普段少しだけ食べたいときには助かっています。
この「のっぺ」と切り干し大根を使った「はりはり漬け」が新潟のお正月には欠かせないごちそうです。
はりはり漬けはまだ自分で作ったことはないのですが、来年あたり挑戦してみようかと思っています。
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