政府の要請で「大学生は学業を優先すべき」ということで、経団連が応じるかたちで就職活動時期の繰り下げが決定しました。2016年卒業予定者(現在大学3年生)は3年生の3月から解禁、採用選考開始は4年生の8月からスタートになります。大事なお子さんがきちんと就職活動できるのか、気になる親御さんも多いことでしょう。
就活生の親がやってはいけないこと、どうしていけばいいかを考えてみました。
就活にあまりの無知、無関心な親は困りもの
まずはこのように2016年卒の大学生の就職活動時期が繰り下げになったことを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは関心があってもお子さんとうまくコミュニケーションがとれない方もいるのかもしれませんが。
特にお子様と話す機会の少ない父親にこのような傾向があるようです。今更、面と向かって話すのはどうなのかとか思っているかもしれませんが、ビジネスの最前線にいる父親のアドバイスは重要です。母親を仲介役にする、メールや手紙を書いてみるなどの手段もあります。
最近の就職事情や企業のことをよく知らないからと言って、何もしないのはお子さんを不安にさせていることがあります。人生の分岐点を迎えているお子さんたちは就職活動中には悩むことが多く、ひどい場合には就職活動を止めてニート状態になってしまうことも。
常にお子さんに「関心がある」「相談に乗る」という姿勢をとりましょう。実際には相談しなくても、悩みを聞いてくれる両親がいると思うだけで、お子さんの心は軽くなります。
就活生に親の過干渉や押しつけは不安をあおるだけです
親にしてみれば、名前の通った一部上場の大企業や公務員にお子さんが就職して欲しいのは山々でしょう。しかしそれに、ご自分の老後の世話を見てもらいたい気持ちが見え隠れしていませんでしょうか。
今の親世代が就職した時代、例えば1979年の大学(学部)への進学率は26.1%(男子39.3%、女子12.2%)でしたが、2010年の進学率は50.9%(男子56.4%、女子45.2%)とほぼ倍増しています。大卒に希少価値があった時代はもう終わっているのです。
手書きの資料請求はがき、応募書類による就活が当たり前だった時代とは違い、ネットの活用がスタンダードになっています。お子さんたちは会社説明会やセミナー、OB・OG訪問、会社案内など、ネットを中心にさまざまな方法を使って情報を集め、自分たちの目で見て、肌で感じて就職先を決めています。
一流企業への就職を願う親と、仕事の面白さや一生続けられる仕事といった考え方で就職先を選ぶお子さんでは判断基準も変わってきます。今の時代、大企業といえども倒産や吸収合併などの可能性はいなめません。過去の古い価値観を押しつけないで、親も新しい情報を仕入れ、お子さんの気持ちや将来を考えた上で適切な助言をしていくようにしましょう。
親はお子さんの就活に向けてどんなサポートをしていけば?
まずはお子さんの就職への選択を見守る姿勢が大事です。受験のように手取り足取り親がやっていては、いつまでたってお子さんは自立できません。
お子さんのほうが就活に対して親御さんにアドバイスを求めてきたら、
「わが子が自分の会社に面接にやってきたらどのように感じるだろうか?」
と考えてみてください。ご自分の会社の新入社員と比較してみるのもいいかもしれません。親としてではなく、ビジネスとしての視点で客観的にお子さんにアドバイスできます。
親の七光りという言葉もありますが、就活には親せきや友人、仕事仲間などのツテをたどった「企業・業界研究の相談相手探し」も、親の出番のひとつです。親から話すよりも第三者の言葉のほうが子供の心に響き、素直に受け入れる傾向があるようです。
親が絶対にやってはいけないことは、お子さんの就職活動の厳しさを感じて、留年を安易に認めてしまうことです。社会人未経験のまま年齢を重ねた場合、就活は新卒時よりも格段に厳しくなってしまいます。学費は4年しかださないという厳しい覚悟でお子さんに就活をがんばってもらいましょう。
まとめ
お子さんの就職活動を成功させるには、親御さん自身が現在の就職事情を調べて、お子さんの就活の不安を受け止める覚悟が必要です。まずはご自分自身とお子さんの状況をしっかり確認して、お子さんに寄り添って就活をすすめていきましょう。
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