2016年春に卒業する学生向けの会社説明会が3月1日に解禁されました。現在大学3年生の就職活動が本格的にスタートです。開始時期が3ヶ月遅くなり、面接は8月、内定は10月という短期決戦の就活になりました。
どうしてこのようなルールになったのか実情はどうなのか調べて見ました。
なぜ就職活動の開始時期が遅くなったのでしょう
この日程変更は就職活動が近年早期化していき、卒論にじっくり取り組めないなど学業に支障があるということで、大学側が指摘し、政府が経済界に要請したもので、段階的に就活の日程を遅らせていました。
2013~2015年春卒業生まで
3年生の12月会社説明会解禁 4年生4月 面接 10月内定
現在の3年生 2016年春卒業生は
3年生の3月会社説明会解禁 8月面接、選考活動解禁 10月内定
となりいずれも3~4ヶ月スケジュールが遅れる短期決戦になっています。
かつては大学と企業が就職協定を結び、会社訪問解禁日などを決めていたのですが、協定破りが相次ぎ、1997年卒を期に廃止されました。
良い学生を確保するために早々に内定を出すことを青田刈りなどと批判されていました。
しかしその就職協定がなくなると3年生の冬くらいから会社説明会が始まり、学業に専念できないという声が大学から上がってきました。
政府の要請もあり、2011年に経団連が倫理憲章を見直して、2013年卒のから段階的に現在のスケジュールに落ち着きました。
企業はルールを守らないといけない?中小企業の事情は
この就活の日程ルールは経団連では紳士協定であり、加盟している企業が違反しても罰則はありません。
政府は日本商工会議所など他の所にも同様の日程にするように要請していますがあまり浸透していないようです。
もちろん、外資系企業はこの日程に関係なく就職活動をしています。
この日程に困っているのは中小企業です。以前は以前は大手企業が内定を出した後に本格的な就職活動を見込んでいましたが、このような短期決戦では同時期に競合しなければなりません。
最近は好景気に少子化もあり、学生側が売り手市場となっています。知名度に劣る中小企業はこのルールを守ることなく早めに手を打っているところもあるようです。
地方の合同会社説明会などでは中小企業の援助のために県が予算をさいて、無料で学生向けムービーを製作するサービスなどを実地して学生のUターンが定着するようにはかっているところもあります。
本当に学業優先になっているのか 学生に弊害はないのか
では実際にこの日程で学業優先となっているのでしょうか。
ある大学の教授は
「例年は2月のゼミは就活で欠席の学生が多いが、今年はほとんどなかった」と喜ぶ声がありました。
学生さんの方でも
「うちは講義のコマ数や単位が多いので就活を見越して繰り上げで授業が取れてよかった」等のコメントもありました。
しかし、この短期決戦が決まった昨年夏頃から、企業の間でインターシップ(就労体験)を実地するところが増えています。
学生の方も就活の短期決戦を懸念して授業を休んでインターシップに参加した方もけっこういるらしいのです。
結局、以前と変わらず3年生の夏から就活に取り組む学生もいるわけですね。
こうなりますと、本末転倒で企業も学生も手探りの状態が続いている感じです。解禁日を遅らせてもインターシップに参加するのを止めることはできませんので。
まとめ
なんだか就活日程を遅らせても喜んでいるのは大学側だけみたいな感じがします。
就職を優先に考える学生は早めのインターシップに応じるなど、それなりの動きをしているようですし。
学生側は短期決戦の就活は「自分が何をしたいのか」「この企業はどういう人材を求めているのか」という事前準備だけは早めに考えて用意した方が良いでしょう。
企業の方も学生へ情報発信はインターネットなどを通じてしっかやっていくのが重要だと思います。
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